プロローグ

















涼しく爽やかな風が吹いている。
地面に生えている背の低い草が風に吹かれ揺れていた。





「よくぞまぁ、お前たちのようなものがここまで生きていられたものだ。」





その声は大気を震わせ、人の奥底から何か嫌なものを奮い立てそうな響きがあった。
嫌なもの。俺としては恐怖といったほうがいいかも知れない。
底知れぬ何か、計り知れないもの。まるでお前ごときに俺は倒せねぇよと胸を張って威張られていられるような力を感じる。



情けないな。声だけでそんな気分にさせられるなんて。だけど、声だけで怖がってはいけないのだ、俺にとって。



だからこそ、俺も負けじと腰に手を当てて胸を張り、





「ハッ、